緑内障(りょくないしょう)とは

「あおそこひ」とも呼ばれ中高年に多く見られる病気です。2002年のデータでは40歳以上の日本人の約16人に1人の割合で緑内障にかかっていると言われています。日本では、失明原因の第2位となっている病気です。(第1位は糖尿病網膜症)

緑内障の症状は?原因は?

人間の眼は、見えたものを眼球の内側にある神経の膜(網膜)に写し視神経を通し脳に情報が伝達されます。緑内障は、その視神経が眼圧の上昇などで圧迫され傷害を受け徐々に「視野が欠ける、狭くなる」などの症状がおこります。進行すると最悪失明の危険性もあります。

何ですか眼圧とは?

眼圧とは眼の中の圧力のことで正常は10~21mmHgです。人の眼の圧力(=眼圧)は、房水と呼ばれる眼の中で血管のないところへ栄養を送る水によって正常の硬さに保たれています。房水は、毛様体でつくられ、シュレム管を通り眼の外へ排出されます。しかし何らかの原因で房水の排出が障害されると房水が逃げ場を失い眼の中でどんどん増えていきます。その結果、眼圧が上昇し視神経を圧迫、傷害を与えます。

緑内障の症状は視野が狭くなるだけですか?

緑内障には「急性緑内障発作」という字のごとく急に症状がでるタイプと「開放隅角緑内障」と呼ばれる慢性のタイプがあります。急性緑内障発作では、急激な眼圧上昇で「吐き気」「嘔吐」「眼の痛み」「頭痛」「眼が見えにくい」などの症状がでます。慢性のタイプでは、初期の自覚症状はありません。そのため、緑内障と気が付かず、自分で「視野が狭くなった」「見えにくくなった」などの症状が出たときには、既にかなり病気が進行しているケースが多く見られます。

1.房水の排出が障害される。2.眼圧が上昇し神経を圧迫、障害を与える。

緑内障はどのようにしたら発見できるのですか?

ご自分では病気が進行していない限り気が付きにくい病気ですので何より、定期的な眼科検診をうけることです。緑内障の検査には、眼圧検査、隅角検査、眼底検査、視野検査などがあります。どれも痛い検査ではありません。

緑内障の治療にはどのようなものがあるの?

薬物治療(点眼薬、内服薬)、レーザー治療、手術治療などがあります。これらの治療は、基本的に眼圧を下げ視野の狭まりをくい止める治療です。まず初めは点眼薬による治療が一般的です。点眼薬で効果があまりなければ内服薬、レーザー治療、手術治療などをその人の眼の状態によって患者様と相談し治療します。ただ一度失われた視野は、これらの治療をしても元に戻りません。早期発見、早期治療をこころがけ、40歳を超えた方は一度眼科の検診を受けてください。ほかに血のつながった方に緑内障の人がおられる方、近視の強い方、遠視の方、眼圧の高い方などは注意が必要です。

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